CLIP STUDIO PAINT TIPS
2005/06/22
はじめに
ペイントソフト、クリスタ (CLIP STUDIO PAIN/クリップスタジオペイント) の効率の良い操作の仕方ということで、タブレットの推奨ペンボタン設定やショートカットキーについてまとめました。
私は右利きで PC で板ペンタブレットを使用しています。環境によっては後述の内容は合わない場合もあるかもしれません。
昨今は片手デバイスが人気ですが、私は特定の片手デバイスに依存するよりもキーボード (液タブであればスペースがあればミニキーボード等を利き腕に合わせて画面の左右どちらかの上部に置く等) をおススメします。
私は板タブレット派なので板タブレット利用者には有益な情報かと思います。左利きの方もキーボードを右側に配置すると左下の Ctrl 近辺が打ちやすくなるのでは。
iPad 等タブレット端末の方は持ち運びやすいタブレット端末の利点がありますので、無理にキーボードを用意するよりも片手デバイスを利用するのが良いでしょう。
推奨ペンボタン設定
ペンタブレットのペンにはボタンがついていることが多いと思いますが、一番よく使うボタン (大抵下側だと思います) に「スペースキー」、 ボタンが 2 個あれば 2 個目 (上側) には「右クリック」を割り当てることをおススメします。 この設定でショートカットキーと組み合わせればマウスに手を伸ばすことはそうそう無くなるはずなので時短に繋がります。
後述しますが、スペースキーはキャンバス移動や他のキーとの組み合わせで効果を発揮します。
右クリックはレイヤーウィンドウ等でレイヤーの複製やカラーバランスの調整等の右クリックウィンドウを出すために使います。
また、キャンバス上で右クリックすることでスポイトツールとして機能します。
スポイトツールは現在の設定が使われるため、レイヤーの色を取得するか表示色を取得するかはスポイトツールを選択して選ばなければいけません。
タッチ or ドラッグ系
以下のキー (Space, Ctrl, Alt, Shift) は押しっぱなしでの操作が前提です。
※ Mac の方は Ctrl を Command、Alt は Option に置き換えて見てください。
キー | 効果 |
---|---|
Space | 押しながらペンでドラッグすることでキャンバスを動かせます。 ペンタブレットのペンにボタンがあれば下のボタン (一番使いやすいボタン) に割り当てることをおススメします。 Ctrl + Z に並ぶ一番使うキーでしょう。 |
Space + Ctrl | 同時押し状態からペンでタッチするとキャンバスを拡大します。このときの拡大率は環境設定で設定した値でステップします。 また、右にドラッグすることで拡大、左にドラッグすることで縮小できます。このときの拡大縮小率は環境設定に依存しないスムーズな拡大縮小になります。 |
Space + Ctrl + Alt | 同時押し状態からペンでタッチするとキャンバスを縮小します。このときの縮小率は環境設定で設定した値でステップします。 Space + Ctrl と同様に右にドラッグすることで拡大、左にドラッグすることで縮小できます。このときの拡大縮小率は環境設定に依存しないスムーズな拡大縮小になります。 |
Space + Shift |
同時押し状態からペンで右にドラッグするとキャンバスを右に回転、左にドラッグすると左回転します。 ダブルタッチするとキャンバスの角度を 0 度 (標準状態) に戻します。 |
Ctrl + Alt | 今度はスペースキーは使用しません。同時押し状態からペンや消しゴムなどで右にドラッグすると現在のサイズを大きく、左にドラッグするとサイズを小さくします。 |
以上の操作を憶えるだけで片手デバイスに備わってるダイヤル系の操作は 3 つ分使用できたことになります。
慣れたらわかりやすいと思います。
ショートカットキー
ペンボタンは押さずにキーボードの主にキー単体で機能するショートカットキーの説明です。
キー | 効果 |
---|---|
E | 消しゴムです。ペンによってはペン先とは逆側についている場合もあるのでわざわざキーを押してツールを変更してしまうよりはペンの消しゴム機能を使った方がいいです。 |
P | G ペン・丸ペン等のペン系ツールです。二度 P を押すと鉛筆ツールになります。三度目はペンツールに戻ります。 |
B | 水彩・不透明水彩系ブラシ、二度押すとエアブラシ、三度目でスタンプ系ツールになります。 あまり使わなければ初期のショートカットキー設定からスタンプ系ツールを削除してしまった方が良いかもしれません。 |
G |
二度押すとバケツ系塗りつぶしツール (囲って塗る等もこちら) になります。一度目はグラデーションツールですのであまり使わないと思います。 初期のショートカットキー設定からグラデーションツールを削除してしまった方が良いかもしれません。G キー一度で塗り潰しツールになります。 |
M | 範囲選択系ツールです。特に投げなわ選択は多用するのではないでしょうか。 |
W | 自動範囲選択ツールです。 |
K | 移動ツールです。 |
I | スポイトツールです。レイヤーから色を取得するのか表示色を取得するのか切り替えたくなったら押します。 |
Delete | 現在のレイヤーに描画されているものを全て消去します。選択範囲化されている場合は選択範囲内のみ削除します (こちらの方が多用するかもしれません)。 Shift + Del で範囲外が消えます。 |
Esc | 拡大縮小状態の解除やレイヤー名の編集状態から抜ける等色々な場面で使うかもしれません。※選択範囲状態は Ctrl + D で解除します、Esc キーでは解除できません。 |
Shift | 選択範囲ツールで Shift キーを押しながら選択すると、複数の選択範囲を同時に選択できます。 レイヤーウィンドウで、あるレイヤー・フォルダを選択した状態から Shift キーを押しながら上下どちらかの指定のレイヤー・フォルダを選択すると範囲で複数のレイヤー・フォルダが選択できます。 また、キャンバス上でまず起点となる場所を何も押さずにペンでタッチしてから Shift キーを押しっぱなしにして、終点になる場所をペンでタッチすると直線が引けます。 |
Alt + Del | 塗りつぶしです。基本的に範囲選択して使用する場面が多いでしょう。 |
カスタムショートカットキー
画面上部の「ファイル(F)」メニューの「ショートカットキーの設定」から新たに設定するのをおススメするツール・キーです。キーボードの左下に集めると使いやすいです。
機能 | 説明 |
---|---|
描画色と透明色を反転 | 私は C キーに割り当てています。今使っているサイズのペンやブラシが透明色になり消しゴム代わりになるので細かいところを消すには重宝します。 二度押せば描画色に戻ります。ブラシ系ツールやエアブラシ等、塗りの場面で多用します。 |
左右反転 | 私は V キーに割り当てています。キャンバスの表示上 (ビュー・見え方だけ) での左右反転です。 キャンバスそのものは反転しません。デッサン崩れを修正するためによく使います。 Shift + V に上下反転を割り当てておけばなお良いかもしれません。 |
Ctrl キーの活用
Ctrl キーと組み合わせることで機能するキーの組み合わせです。
キー | 効果 |
---|---|
Ctrl |
Ctrl キー単体で押しっぱなしの状態から描画されている部分をペンでドラッグすると描画部分を移動できます。
ただしレイヤーの関係上関係ないものを動かしがちなので素直に移動ツール (K キー) を使用した方がいいかもしれません。 また、レイヤーウィンドウでレイヤーのサムネイルを Ctrl キーを押しながらタッチすると描画されている部分だけ選択範囲化します。 レイヤーウィンドウでは Ctrl を押しながらレイヤー・フォルダを選択することで単独のレイヤー・フォルダを複数選択できます。 Shift キーと違い離れているレイヤー・フォルダもひとつずつ選択できます。 |
Ctrl + T |
標準の拡大縮小機能です。単純にサイズの拡大縮小をする際に使用します。
そのまま押せば描画領域全体に合わせて選択してくれます。 投げなわ選択など選択ツールで選択してから Ctrl + T を押すと選択範囲に合わせて拡大縮小状態になります。 |
Ctrl + Shift + T | 自由変形機能です。Ctrl + T と同様に選択範囲状態の場合は選択範囲の変形になります。 |
Ctrl + I | 選択範囲状態で選択範囲の反転を行います。 |
Ctrl + D | 選択範囲状態を解除します。選択範囲の解除には Esc キーは効きません。 |
Ctrl + G | ちょっとマイナーな機能です。レイヤーウィンドウで選択中のレイヤー・フォルダ (複数選択可) をまとめて新規フォルダを作成してその中へ入れてくれます。 |
Ctrl + Z | 取り消しです。言うまでもないですね。 |
Ctrl + Y | やり直しです。これも説明不要ですね。 |
Ctrl + X | 切り取りです。主に選択範囲を切り取るときに使用します。 |
Ctrl + C | コピーです。主に選択範囲をコピーするときに使用します。 |
Ctrl + V | 貼り付けです。コピーまたは切り取りを行ったものが新規レイヤーが作成されて、そこに貼り付けられます。 |
Ctrl + S |
「保存」(上書き) です。忘れた頃に押すと安心です。 「別名で保存」は Shift + Alt + S とやや慣れない操作なので無理に憶えなくてもメニューから操作すると良いです。 別名で保存するケースよりも「画像を統合して書き出し」を使う場面が多いです。 |
おわりに
キーボード操作とペンボタンの組み合わせに慣れるともう戻れません。ショートカットキーについてはまだまだ知る余地がありますね。
描画中は大体左手はキーボードの Ctrl キーあたりに小指を乗せてます。
ショートカットキーを紹介してきてなんですが、ツールパレットから選んだ方が手っ取り早い場面もあります。臨機応変で快適なクリスタライフを。